第5回学生住宅デザインコンテスト
募集テーマ
やわらかい木造の住まい
木造は柔らかいのである。木や鉄がコンクリートに比べて柔らかいことは小学生でも知っている。しかし今言わんとしていることはそれではない。木造は変幻自在なのである。
教育が悪い。建築学科に入学すると、木軸の図面を描かされ模型を作らされる。それ自体に問題はないのであるが、その対象建築物が大抵の場合つまらない。日本の教育システムというものは、どうしても型式指定が好きで、英語教育を文法から始めるように、木造教育を用語と工法から始めてしまう。木造が嫌いになるのは当然である。
本当の木造はもっと自由なものなのだ。様式と言われるものは、大概の場合必要に駆られた創意工夫から生まれてきている。日本建築様式に付き物の斗供(ときょう)と呼ばれるものにしても、木というめり込みやすい材料をいかに強く組み合わせるかという必要から生まれたのだ。原型である法隆寺のような古建築は意外にも自由である。それがいつしか様式という決まりごとに成り果ててしまったのだ。
今回は決まりごとを忘れて、木というものはなんであるかということを肌で感じて欲しい。教科書に出ている様式だけが木造ではないのだ。樽も木造である。船も木造である。キャンプファイヤーに使う井桁に組まれた薪だって木造である。南京玉すだれだって木造である。扇子だって木造である。唐傘だって木造である。一本インターネットで買ってみるとわかる。実に合理的で美しい。建築に比べればずっと自由である。それが建築になると大きく重たくなるから少々難しくなるだけなのだ。
しかし理屈は同じである。ちょっと頑張って工作のつもりで色々作ってみると楽しい。建物の作り方が変われば空間が変わる。空間が変われば住み方も変わる。構造だけでなく、住み方も合わせて考えて貰いたい。自由である。ただしひとつだけ。鉄骨で構造を作ってそれに木を貼り付けるような誤魔化しはご法度である。
あくまでも構造が木であること。これが条件である。仕上げは何でも良い。
 グランプリ(1点)
  賞状、賞金 30万円
 準グランプリ(1点)
  賞状、賞金 15万円
 HINOKIYA賞(1点)
  賞状、賞金 10万円
 優秀賞(3点)
  賞状、賞金 5万円
 審査員特別賞(3点)
  賞状、賞金 3万円
 入選(最大5点)
  賞状
応募資格
日本国内の専門学校・短期大学、大学・大学院に在籍する学生であること。
個人・グループを問いません。複数点の応募も可能です。
※高等専門学校(4・5年生)も含む。
締め切り
締め切り : 2019年9月2日(月)必着
審査員
審査員長
 手塚 貴晴 建築家/(株)手塚建築研究所 代表/東京都市大学 教授
審査員
 粕谷 淳司 建築家/カスヤアーキテクツオフィス 代表/関東学院大学 准教授
 黒石 いずみ 青山学院大学 教授
 毎日新聞社 1名
 ヒノキヤグループ 1名
提出先
〒100-8051 東京都千代田区一ツ橋1-1-1
毎日新聞社 「第5回 学生住宅デザインコンテスト事務局」
TEL:03-6265-6815(平日10時〜17時)
詳細は、主催者のホームページをご確認下さい。

※応募の際は、必ず主催者が発行する応募要項をご確認下さい。