2020年度日本建築学会技術部門設計競技
 人新世を見据えたSDGs達成に資する街区・集落のネットポジティブデザイン
主旨
最後の氷河期の終わった約1万年前から続く「完新世」は、人間の過剰な活動によ
り地球環境が破壊され、現在、既に人類中心の「人新世」が到来しているとも言わ
れる。地球温暖化対策なども含め、人間活動集積の場である居住空間の再構築デ
ザインは人類的な大きな課題である。地球規模の複合的課題に対する国際的
な取り組みとしてSDGsが開始され、人間居住空間(仕事場・交流場も含む)の革新的
展開が求められるが、そのためには、従来の建築技術分野の複合デザイン、多分野
とのインテグレートが必至である。
その中で、現在、NZEBs(ネットゼロエネルギー建物)から、NPEBs(ネットポジティ
ブエネルギー建物)への思考転換が進められ
ているように、節約、削減のネガティブ思考や、マイナスをゼロにするネットゼ
ロの発想から、よりポジティブ思考の革新的創造となる技術・デザインが注目さ
れている。
更に、この発想を集合体・群としての街区・集落に拡大し、異常気象・災害対
応、エネルギーの創造、資源循環等の技術が、高齢化・福祉、コミュニティ等も
含めて地域全体の空間の中で、長期的に補完し合い、恩恵をもたらすようなネッ
トポジティブデザイン※が求められる。街区・集落は都市や農村における細
胞・セルであり、生活者、企業者等にとって拠点となる身近な空間として、より都
市や農村全体の更新・創造の発展につながる領域である。
人間居住の持続性を確保するために、街区・集落レベルでの複合的な技術の
ネットポジティブデザインの提案を期待したい。
課題
人新世を見据えたSDGs達成に資する街区・集落のネットポジティブデザイン
募集内容
1.街区(数街区でもよい)、あるいは集落を設計対象とする。
2.SDGsの17項目の複数項目に亘る組み合わせを行い、街区・集落レベルでの
  建築分野におけるSDGsでの社会的貢献を果たす画期的な提案とする。
3.異常気象・災害対応、エネルギー、環境性能、水・食の自給率向上、資源循
  環、仕事、高齢化、コミュニティ向上等の人間居住の持続性を担保するため
  の複合的デザイン提案を期待する。
4.優先的な取り組み事項について、2030年及びその先を展望した具体的な
  ロードマップを示す。
審査委員
委員長
 糸長浩司(日本大学/地球環境委員会委員長)
委 員
 岡部明子(東京大学)
 川久保 俊(法政大学)
 篠原雅武(京都大学)
 高井啓明(竹中工務店)
 高口洋人(早稲田大学)
 中島恵理(環境省大臣官房環境計画課)
 中村美和子(MW環境デザイン)
 横尾昇剛(宇都宮大学)
提出期限
2020年5月25日(月) 17時必着
主催
日本建築学会 地球環境委員会
お問合せ
(一社)日本建築学会事務局「技術部門設計競技」係
〒108-8414 東京都港区芝5-26-20
TEL.03-3456-2057[担当:榎本]
詳細は、主催者のホームページをご確認下さい。

※応募の際は、必ず主催者が発行する応募要項をご確認下さい。