2021年度支部共通事業 日本建築学会設計競技
課題
「まちづくりの核として福祉を考える」
福祉の現場とは、当たり前のことが困難な方々が当たり前の時間をすごせることを目指して多様な努力が払われる場所だと思う。
居住系や通所系のサービスでは、身体を含む全ての障害者の方々の日常生活がサポートされ、知的や精神の障害を対象とした福祉の現場では、日常生活だけでなく社会生活がサポートされる事例も多く存在する。サポートには多様な工夫が見られる。
例えば、高齢者福祉の現場では、施設を子育て支援などの事業と組み合わせることにより、施設としての閉鎖性を乗り越えようとする試みがみられる。知的・精神に対する福祉の現場では、廃業した農家の代わりに耕作放棄地を耕すことや、経営的に成り立たせることが難しいゴミの分別業務を就労支援の現場にするなど、誇りを感じる仕事づくりがまちづくりの一助となるような試みもある。
福祉を語る言葉にノーマライゼーションというものがあるが、現場における多様な試みから見えてくるのは、ノーマル=日常というものが健常者の日常をなぞらえるものとしてあるのではなく、より積極的な意味付けとともに実践されていることである。その活動は、もしかしたら私たち健常者の日常以上にいきいきとしたものになっているかもしれない。実際に、福祉施設らしい実践をとおして、周辺のまちづくりに参加するような動きも多くみられるようになっている。つまり、福祉施設が実践するノーマル=日常をきっかけとして、まちづくりがひろがりつつあるようである。
まちづくりの核として福祉の現場を捉えてみてほしい。福祉の対象や、そこでの日常や社会生活の実践を自らで設定する必要があるだろう。そして、それらの実践に都市や建築がどのように関連できうるのかを検討してほしい。
審査委員長 乾久美子
全国審査員
 委員長
  乾久美子(乾久美子建築設計事務所取締役)
 委 員
  金野千恵(teco主宰)
  佐藤淳哉(長岡造形大学准教授)
  末光弘和(九州大学准教授)
  仲 俊治(仲建築設計スタジオ代表取締役)
  林 立也(千葉大学准教授)
  松田貢治(三菱地所設計TOKYO TORCH設計室長)
1)支部入選:支部長より賞状および賞牌を贈る(ただし、全国入選者・タジマ奨励賞は除く)。
2)全国入選:次のとおりとする(合計12 件以内)。
 ・最優秀賞 2 件以内
  賞状・賞牌・賞金(計100 万円)
 ・優 秀 賞 数件
  賞状・賞牌・賞金(各10 万円)
 ・佳 作 数件
  賞状・賞牌・賞金(各5 万円)
3)タジマ奨励賞:タジマ建築教育振興基金により、支部入選作品の中から、
 準会員の個人またはグループを対象に授与する(10 件以内)。
 ・賞状・賞牌・賞金(各10 万円)
応募期間
2021 年5月14日(金)〜6 月14日(月)17:00(厳守)
応募サイトに関する問合せ
日本建築学会 支部共通設計競技 電子応募受付係
TEL 03-3456-2056
E-mail sskoubo@aij.or.jp
主催
日本建築学会
後援
日本建設業連合会、日本建築家協会、日本建築士会連合会、日本建築士事務所協会連合会
詳細は、日本建築学会のホームページをご確認下さい。

※応募の際は、必ず主催者が発行する応募要項をご確認下さい。