日本財団福祉のデザイン学生コンペ2021
テーマ
「脱福祉施設」
戦後、日本においては、住宅と福祉施設は別々の道を辿って進化を遂げた。住宅供給のために、「核家族」というフォーマットが導入され、それに対応した間取りを基本形とし、住宅政策・住宅産業が大いに展開し日本は成長を遂げた。一方、そこから外れてしまう人々を支える福祉政策が時代ごとに整備された。それによって福祉施設というビルディングタイプが発展した。今の日本においては、自分がいつどのような状況になっても基本的には福祉制度や施設が用意されているという安心感はある。一方で、いつの間にか、両方とも人間が暮らす住まいであるにも関わらず、「住宅」/「福祉施設」という切り分けが生まれてしまった。また、福祉施設はビルディングタイプごとに、同じような状況・境遇の人々が集められてしまう。(老人ホームには老人と職員のみが集まるなど) 人々の暮らし方・集まり方としては自然だと言えるだろうか。超高齢化社会に突入すると、前提が変わる。若者/高齢者というバランスも推移すれば、もはや核家族というフォーマット自体が社会の基本系ではなくなってくる。また、障害を乗り越えるデバイスやコミュニケーションのプラットフォームがどんどん登場している昨今、健常者/障害者の境界も溶け出している。この時代に、もう一度福祉を考えたい。これまでの福祉施設のバージョンアップを図るために、脱福祉施設という課題にしようと思う。これは否定としての非福祉ということではなく、これからの福祉を実現する、ということだ。建物ではなく、公園のような場でもいいし、状況でもいい。あるいは何か社会システムでも良い。「住宅」/「福祉施設」の二分法を乗り越える「脱福祉施設」を提案してください。
審査委員
審査委員 大西麻貴(建築家・一級建築士事務所 大西麻貴+百田有希 / o+h)
審査委員 山道拓人(建築家・ツバメアーキテクツ一級建築士事務所)
審査委員 吉倉和宏(日本財団常務理事) 50 音順・敬称略
賞金総額 90 万円
最優秀賞 1 点 50 万円
優秀賞 1 点 25 万円
入選 3 点 各5 万円
スケジュール
・応募登録・作品締切
 2021 年7月1 日(木)〜2021 年8 月31 日(火)
・一次審査結果発表
 2021 年9月下旬(予定)
・公開審査会
 2021 年10 月中旬(予定)
応募資格
応募登録期間(2021 年7 月1 日〜8 月31 日)時点で、日本国内の大学院、大学、短期大学、
高等専門学校、専修学校(各種学校)、高等学校、等に在籍する学生であること。
(グループで応募する場合も全員該当すること)
主 催
公益財団法人日本財団
お問合せ
「日本財団福祉のデザイン学生コンペ2021」事務局(株式会社建報社内)
nfcs@kenchiku.co.jp
詳細は、主催者のホームページをご確認下さい。

※応募の際は、必ず主催者が発行する応募要項をご確認下さい。